2021年6月20日日曜日

無力

自転車で買い物へ行く途中の道にて、道路の方を見ながら歩く女性の姿とそこに二羽の鳥の姿が見えた。
何かなと近付いてみるとまだ飛べない小さな雛鳥を親鳥と思われる一回り大きな鳥が誘導している光景であった。

車が来ないかとソワソワしながら見守っていて、何とか危険な道路からは離れられたもののその先にあるのは駐車場。
親鳥の誘導は続いていたけれどブロック塀に囲まれており巣や身を隠すような場所は見あたらない。
大丈夫だろうか、抱き上げてブロック塀裏にでも移動させてあげるのが良いだろうかと悩んでいる内に雛鳥は車の下へと移動していってしまった。
そこへ親鳥が寄ってくる姿を見て、下手に自分が手を出すよりも親に任せようとその場を離れた。

きっと何をすれば良かったなんて無いと思う。
むしろ僕が近くにいるせいで親鳥が中々近寄れないという可能性もある。
しかしあんな場所に居て車に轢かれてしまわないだろうか、猫に襲われないだろうかと様々な思いが巡る。
何も出来ないのだから見なければ良かった。近付かなければ良かった。
無力で無責任な自分への嫌悪で後悔ばかりが募ってしまう出来事であった。