2018年11月28日水曜日

かえる

祖父の葬儀が無事に終了した。
悲しみより残念さが強かったのでそんなに泣いたりはしないと思っていたのだけれど、思いの外泣いてしまった。
僕以外にも沢山の人達が涙を流し、別れを惜しんでくれて、明るくて元気だった祖父は人当たりが良く皆から好かれていたのだなーというのをしみじみと感じる葬儀であった。

祖父との思い出話を一つ。
実家の前にある石柱の上に蛙の石像があって小学生くらいの頃に「あれは何?」と祖父に聞いた所、蛙は「帰る」という意味でそれが家の入口にあるからそこに帰ってくるという事で、○○○(僕の本名)が家へ(無事に)帰るように置いてあるんだと話してくれてそんな風に大事に思われているんだと子供心ながら凄く嬉しかった。

当時、不登校で祖父母から母へその責めが行くのを何度も目の当たりにしていたため自分が悪いんだ、自分のせいで母が苦しんでいるんだと感じており祖父母から愛情を与えられても今一つ素直に受け止められていなかったのが、祖父が嬉しそうに「○○○が帰る。」と話してくれた事は自分をこんなに想ってくれているんだと強く肯定感を覚えたエピソードであり、僕にとって大切な思い出である。

あの家ではないけれど、祖父と同じ様に僕を大切に想ってくれる人のいる場所へ今日も帰る。
蛙の石像はなくとも、帰るべき場所というのはそんな人達の待つ場所だ。