10年とは長い期間であり、その間に日本全国旅行したり結婚したり両祖父が亡くなったり子供が生まれたりと様々な出来事があった。
それだけ沢山の事がありながらもあの日の出来事は今も鮮明に覚えている。
机に置いた少し贅沢なコーヒー飲料、机の下に避難した事、軽い気持ちで何とかなるだろうと定時で仕事を切り上げてからの迷走、夜を過ごした川崎駅の地下道、ようやく入れた漫画喫茶で夜を空かしてから帰宅しての安全装置で止まったガス、次々と入ってくる信じられないようなニュース映像。
あの日の事を忘れる事はもうないんだろうなと思う。記憶じゃなくて、もはや頭に刻み込まれている。
これから先、生きていく間に同じ様な刻み込まれる出来事というのはまだまだあるだろう。
それが東日本大震災の様な怖い辛いものでなく、結婚式の日や子供が生まれた時の様な楽しい嬉しい事であると良いのだけれど。